米国で主に使用する図面縮尺、用紙2011.01.05 [COLUMNS,お役立ち情報]

2種類のスケール

アジア・ヨーロッパはミリメートルを基本としたメトリック表記が標準ですが、米国はインペリアル表記を使用します。元々は肘から手首までの長さを1FOOTと決めたそうです。米国でも他の国と同様にメトリックに切り替えるはずが、インチ・フィートその他量、重さなどを測る既存のシステムがあまりに浸透して事実上不可能ということで、10進法でない米国独自の単位を数多く使用してます。(考えてみれば国際社会の中で米国だけのシステムというのは意外に多いのではないでしょうか。)日本では古来からの尺スケールをメトリックと上手く共存させています。関東と関西、そして九州ではモジュールが違っていましたが、メトリックで正確に変換することができるようになりました。建築部材や各地域の建築工事では依然として尺スケールを基準としていますが表記ではメトリックを使用することが多いです。私自身は1尺(約303mm)と1FOOT(約304.8mm)を同じスケールとして頭の中で置き換えて最初の頃はスケールをつかんでしました。どんな計測方法でも長い年月で培われた素晴らしい歴史を知る事によって単なる数字以上の意味を見出せるのではないでしょうか。私も計測方法についてマダマダ勉強が足りません。

エンジニアリングスケール(ENGINEERING SCALE)

都市計画や大規模プロジェクトのマスタープランニング等で使います。スキマティックデザインなどの設計初期段階でも使います。測量図なども小数点表記でこのスケールを使います。例えば、10′-6″=10.5’となります。

米国インペリアル縮尺 メトリック縮尺 主に使用する図面
1″=20′-0″ 1:240
1″=40′-0″ 1:480 メトリックでの1:500の扱い方です
1″=50′-0″ 1:600
1″=80′-0″ 1:960
1″=100′-0 1:1200 アーバンプランニングの初期設計で便利です

 

アーキテクチュラルスケール (ARCHITECTURAL SCALE)

本来の12進法の1foot=12inchの縮尺で建築図面で通常使うスケールです。分母に使える数字は2、4、8、16、32だけなので、10進法のエンジニアリングスケールと12進法のアーキテクチュラルスケールを正確に変換するのは難しい場合が多いです。AutoCADでこの2種類のスケールを共存させる時は単位の詳細度合の調整が必要です。

米国インペリアル縮尺 メトリック縮尺 主に使用する図面
1’=1′-0″ 1:1 悩んだ時は原寸図を描きなさいと、吉村順三氏はおっしゃったそうです
6″=1′-0″ 1:2
3″=1′-0″ 1:4 部分詳細図
1-1/2″=1′-0″ 1:8 部分詳細図
1″=1′-0″ 1:12
3/4″=1′-0″ 1:16
1/2″=1′-0″ 1:24
3/8″=1′-0″ 1:36 平面、断面・矩計、階段その他の基本詳細図面
1/4″=1′-0″ 1:48 平面、断面・矩計、階段その他の基本詳細図面
3/16″=1′-0″ 1:64
1/8″=1′-0″ 1:96 基本図
3/32″=1′-0″ 1:128
1/16″=1′-0″ 1:192 基本図、全体図面、計画概要図や防災計画、法規関連設計図面
1/32″=1′-0″ 1:384 この縮尺以下はエンジニアリングスケールを使用

 

主に使用する用紙

アジア・ヨーロッパはAサイズ用紙を主に使用しますが、米国では変則的な倍率で大きさが変わる用紙を使用します。ご存知のようにAサイズの縦横比率は正方形の1辺と対角線の長さの比例(1対1.414)で出来ています。以下に米国で建築設計図書に主に使用する用紙を記します。

用紙の名前 サイズ(inch) 説明
LETTER 8-1/2 X 11 エイトハーフイレブン。A4同等に使用され建築に限らず最も一般的
LEGAL 8-1/2 X 14 建築設計図書で殆ど使用しません。作品集などに面白いかもしれません
TABLOID 11 X 17 イレブンバイセブンティーン。A3同等に使用されてます
ARCH. A 9 X 12 殆ど使用しません
ARCH. B 12 X 18 ARCH.Dの50%縮小版として利用することが多いです
ARCH. C 18 X 24 A2(594mm x 420mm)に近いです。ARCH.Eの50%縮小版
ARCH. D 24 X 36 フルサイズ図面として使用します
ARCH. E1 30 X 42 フルサイズ図面として使用し、50%の15X21用紙もよく使用します
ARCH. E 36 X 48 A0より大きく、扱うのが大変です